2021.11.27
こんな話を聞いたことがあるだろうか?
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ある学校の授業で、先生が「今日は時間の使い方について学ぼう」と言い、おもむろにバケツを取り出し、教卓の上に置いた。そして、その中に大きな石を一つ入れ、生徒に尋ねた。「このバケツは満杯だろうか?」― 生徒はみな、首を振った。
そこで先生は、粒の大きな砂利をバケツに入れ、ふたたび尋ねた。「このバケツは満杯だろうか?」 ― 頷く生徒もいれば、まだ満杯ではないと言う生徒もいる。
そこで先生、今度はサラサラの砂を取り出し、バケツを揺すりながら流し込んだ。「バケツは満杯だろうか?」― 殆どの生徒が頷いた。
すると先生、今度はなんと「水差し」を取り出し、バケツから溢れる一歩手前ギリギリまで、なみなみと水を注いだ。そして尋ねた。「何が言いたいか分かるか?」― 生徒の一人が答えた。「スキマ時間も埋めることで、時間は最大限に利用できる、ということです」
先生は答えた。「たしかにその通りだ。しかしここでもっと大事なことは、大きな石は最初に入れなければ、バケツの中に入れることはできなかっただろう、ということだ。「粒の小さな砂は、緊急性は高いけれど重要性は低いもの」、そして大きな石は「緊急ではないけれど、重要度は高いもの」と考えてほしい」。
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(この話はネット上で見かけることがあり、また、ひろゆき氏の著書『1%の努力』や『水煮三国志』という本にも似たような話が出てくる。いずれのストーリーも、元ネタは『第8の習慣 : 「効果」から「偉大」へ』のDVDにある、スティーブン・コヴィー博士の研修の一コマから派生したものかと思われる)
さて、下図は有名な「重要度×緊急度マトリクス」にプロットした活動の例だ。左上の活動はともかく、左下の活動まで優先して取り掛かってしまうと、右上の「緊急度は低いが重要度は高い」活動は後回しでなかなか着手されないことになる。
だから、先ほどのバケツの石のように、「緊急度は低いが重要度は高い」活動は、先に、自分の予定に組み込んでしまうことだ。そう、英語学習は、先に予定に組み込んでおくべきだ。
企業の経営者を多くクライアントに持つ、あるパーソナルトレーナーの話がある。彼によると、企業の経営者の多くは、一人で行うトレーニングの時間を、あたかも自分へのアポイントメントのように、手帳に予定として記入するそうだ。先に予定として入れてしまえば、後から次々と出てくる用事のせいで後回しにされることはなくなる。ちなみに、時間帯は朝一番が多いそうである。緊急の用事が出てくるのはたいてい日中~夜なので、朝一番にトレーニングを行うのはスマートだ。また、人間は、起きてから時間が経てば経つほど、意志力がすり減っていくということも、研究で明らかになっている。このことからも、意志力を使うトレーニングを朝一番に行うのは理にかなっている。
言うまでもなく、英語学習は「緊急度は低いが重要度は高い」活動である。意志力が強い人なら毎日取り組むことができるだろうが、そうではない人の方が圧倒的に多い。だから、バケツの石のように、先に予定に組み込んでしまうことだ。きちんと手帳に書いて。そして、取り組んだ時間も、記録していくべきだ。書かれた記録が長く続けば続くほど、それを中断するのが惜しくなる。そしていつしか、その活動は習慣となり、さらにはあなたのアイデンティティの一部となる。